【メンタージャム東京のご報告】
2013年7月 『士業・専門家のためのマーケティング入門』～講師　内海　勝統 氏

　7月17日(水)、東京・麹町会館にて「メンタージャム東京」を開催いたしました。今回は、株式会社ジンテックのファウンダー 内海 勝統氏を講師にお迎えし、～気づかなかったことが見えてくる顧客創造の着眼点～『士業・専門家のためのマーケティング入門』と題してご講演いただきました。

　講演は、講師の自己紹介から始まりました。内海氏はもともと外科医を目指されていましたが、社会人のスタートは実家が経営する中華料理店のコック。この時代は人生の中での暗黒だったとか。後になってこのときも重要な時間であったということに気づかれたそうです。転機が訪れたのは新聞の新規事業アイデア募集に応募したこと。その縁でパソナに新規事業担当のアルバイトとして入社したことが事業家へのスタート。その後、さまざまな新規事業を生み出されてきましたが、自分は優秀な事業家ではないとおっしゃいます。そして最近、自分の役割がわかってきたと。マラソンでいえばゴールまで走りきる体力やスピードはないが、金メダルをとるためのペースがわかる。自分の役割は優秀な選手を見つけて途中まで併走してあげて、ペースをつくってあげること。自分が関わった会社すべてが一部上場を果たしている。自分はゴールを目指さないので創業者が安心して相談してくれるところがあるそうです。

　内海氏によればマーケティングとは「売り手と買い手の距離を近づける方法」。距離が遠いと売れない。ビジネスモデルは結果であって、その成功談を聞いても役に立たない。その原点にある考え方が大事、今日はその話をしたいと強調されました。
　またご自身がゴルフを始めるにあたってトーナメントプロに教えてもらったときの経験から名コーチは名選手である必要はないということを学ばれたそうです。スポーツのコーチは選手のフォームを見て、勝っているときのフォームとの違いを指摘してあげることが仕事。自分も経営者の横でフォームをチェックすることができる。

　続いてハレの日マーケティングについてお話しいただきました。ハレとはそこにいる人が一斉に同じことを考える日、一生の中では「誕生」「受験」「就職」「結婚」「住宅」「定年」「葬式」がその日に当たるそうです。この時には同じニーズが発生する。リクルートもこのタイミングに対応してサービスを行っているとのこと。顧客ごとにこのハレの日がいつ来るのかがわかれば営業できるが普通はわからない。ハレの日を迎える顧客との距離をいかに近づけるかがハレの日マーケティング。内海氏は電話番号が変わるときがひとつの目安になることを発見されています。電話番号が変わるというのは引っ越しが一番の原因なので、引っ越した理由を聞いてみると「家を建てた」「子供が産まれた」「定年で退職した」「受験のため」など。電話番号が変わるということはハレの日に非常に関係が深いというお話はとても新鮮でした。
　ではハレの日を迎える顧客との距離をどうやって近づけるのか、この点が気になるところですが、内海氏はその答えとしてイケスマーケティングの話をされました。
　イケスマーケティングとはハレの日を迎える前の顧客「見込客」を囲い込んでおくこと。例えば、葬儀用の会葬品を扱っている会社では葬儀に参列される方こそ「見込客」という前提のもとに、さまざまな「イケス」を用意されていることをご紹介いただきました。また「イケス」をうまく使って営業成績で日本一を取り続けられている保険会社の方の話も。そしてこの「イケス」をうまくつくって、維持できるとそこから次の新しいサービスのヒントが湧き出てくることも示唆いただきました。

　最後に内海氏は陰陽五行説をもとに日本の過去50年とこれからの50年の話をされました。
　陰陽五行説では憲法発布の年をスタートとして10年ごとに「混乱の時代」「教育の時代」「経済台頭の時代」「大衆の時代」「権力集中の時代」と代わり一巡するとまた最初に戻る。このサイクルはどこの国でも同じで例えば今の中国は「大衆の時代」。アメリカは5周目で「経済台頭の時代」に入ったところ。日本は現在2周目の「教育の時代」のど真ん中で後4年すれば「経済台頭の時代」に入る。この時に働き盛りの日本人にとっては百年に1回のチャンスとのことです。
　限られた時間ではありましたが、経営やマーケティングに役立つたくさんの気づきを与えていただきました。内海さま、ありがとうございました。

　第2部交流会は会場を麹町会館の3階から2階に移して、内海氏によるご挨拶と乾杯でスタート。今回は初めて参加された方も多く、名刺交換から交流の輪が広がっていました。また講師のところにもたくさんの参加者が集まり、終わったばかりの講演に関することや経済、ビジネス、日常のことなど幅広い話題で盛り上がっていました。
　お忙しいなか、ご参加いただきましたみなさまありがとうございました。

　次回8月8日(木)開催の「メンタージャム東京」は、夏の特別企画として『銀座で60年続く老舗のイタリアンを堪能！ 納涼 Party in 銀座イタリー亭』と題し、開催いたします。
　みなさまのご参加を心よりお待ちしております。

2013年8月8日(木)開催「メンタージャム東京」のご案内
～メンタージャム夏の特別企画～
『銀座で60年続く老舗のイタリアンを堪能！ 納涼 Party in 銀座イタリー亭』

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