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【メンタージャム東京のご報告】
2010年9月 「士業事務所のための『業務効率と品質向上』術」~講師 前古護氏
9月7日(火)、東京・麹町会館にて、「メンタージャム東京」を開催いたしました。今回は、株式会社アイデア代表取締役の前古護氏を講師にお招きし、~世界が学ぶ日本の製造業の知恵を一挙公開~「士業事務所のための『業務効率と品質向上』術」と題してご講演いただきました。
■前古 護 氏のご講演より
前古 護 氏
前古氏は「日本の優秀な製造業が、何を活用して勝ち抜いているのか、ということを今日はお話しします。特に、発想法については業界による垣根もありませんから、必ずみなさんの参考になります」と、ご講演を始められました。
近年、製造業では、科学的手法を用いることで安く品質の良い製品を他よりも早く社会に提供し、利益を出しています。競争に勝つには科学的手法という「道具」を使うしかないのが現実である、とのこと。
前古氏は、製造業が生き残るための業務改革には両輪となるものがあり、ひとつは体質強化や安定した成果を目指す、「継続的活性化」と呼ばれる全体的な仕組みづくり、もうひとつは即効性が大事な「利益追求プロジェクト」の成功であると、ご自身が勤務された大手自動車部品メーカーでの体験も交えてお話しになりました。
科学的手法は、「利益追求プロジェクト」において、特に活用されているそうです。前古氏のご説明によると、製造業が製品開発の各過程で使う科学的手法には、商品の企画段階に使う「QFD」、課題の達成に使う「TRIZ」、最適な設計に使う「QE」などがあり、これらの手法は製造業以外の業界でも使われているケースがあるとのことです。
今回は、ロシアで研究・開発された「発明的問題解決理論」である「TRIZ」について、さらに詳しく解説してくださいました。
「TRIZ」は開発者が250万件の特許に対して統計的分析を行い、科学的に体系化してマトリックスとしてまとめています。エンジニアはこのマトリックスを、工学的な矛盾や問題の解決と課題の達成に役立てます。1999年から日本の大企業も活用を始めており、魅力的な付加価値を持つ製品を開発して世界の競合と戦っているそうです。
課題達成においては、ベテランが考え抜いても見落とす点が出たり、長い時間がかかったりしますが、「TRIZ」を使うことにより何かを見落とすことなく、解決のヒントに早くたどりつけます。前古氏は固有技術を保有し、やる気があれば誰もが「TRIZ」を使って、多くの先人による経験や知恵、発想に倣い、思考や行動を楽に先へ進められることを、事例を用いて解説。科学的手法という道具を持つことは、他者よりも格段に優位に立つために重要であるとお話しくださいました。
最後に、前古氏は「TRIZ」がエンジニアリングの範囲から、欧州ではビジネスにまで応用されているとおっしゃって、「どのような業界でも経験などを体系化して、問題解決と課題達成を効率よく行う道具をつくり、業務の品質を上げて利益を出すことは可能です。それをつくる人は業界のパイオニアとなるでしょう」と、ご講演を締めくくられました。
今回は90名を超えるご参加をいただき、「発想のための科学的手法があることを知り驚きました」「製造業での戦略は、士業事務所でもたいへん役立つと思います」との、賛辞を頂戴しました。
前古さま、たいへん貴重なご講演を、まことにありがとうございました。
第2部交流会は、同じく麹町会館にて前古氏の乾杯のご発声により始まりました。前古氏と名刺交換をされる方、質問をされる方などが多く見られ、関心の高さが感じられました。また、今回は、メンター会員でせたがや行政法務事務所の小平直氏、北海道からご参加のメンター会員 出口秀樹税理士事務所の出口秀樹氏より、ご挨拶をいただきました。みなさま、ご登壇をありがとうございました。
次回10月7日(木)開催の「メンタージャム東京」は、~成長し続けるために必要な「思考」と「行動」を学ぶ~『実践するドラッカー・組織マネジメント入門』と題し、講師として佐藤等公認会計士事務所 佐藤等氏(メンター会員)をお招きします。
みなさまのご参加を心よりお待ちしております。
2010年10月7日(木)開催 「メンタージャム東京」のご案内
~成長し続けるために必要な「思考」と「行動」を学ぶ~
『実践するドラッカー・組織マネジメント入門』
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