【メンタージャム大阪のご報告】
2006年5月『事業承継対策』～講師　中島　丈道 氏

　コンサルティングファーム関西支局では、5月16日「メンタージャム大阪」を開催いたしました。
　今回は、メンター会員で税理士の中島丈道氏を講師にお迎えし、『事業承継対策』～スムーズな事業承継への具体策！～と題してご講演いただきました。

■中島　丈道 氏のご講演より

中島　丈道 氏

　中島氏は、最初に事業承継に関する課題を「（1）経営権」、「（2）支配権」、「（3）財産権」に大別して考えることの重要性を説明されました。一般的には、「自社株の評価をいかに低く抑えるか」などといった手法の部分が強調されがちですが、そもそも事業承継とはどういう視点に立って考えるべきなのかというところから始まりました。つまり、この3つを明確に分けて考えていかないと財産としての相続はできても、事業を継続させていくためのバトンタッチ（承継）に失敗するケースがある。これは、多くの事業継承の事例に接してこられた中島氏の実感なのだと思います。

　「経営権」「支配権」の継承については、施行されたばかりの会社法にもとづき、種類株などについて細かく重要ポイントのご説明をいただきました。まだ、施行されたばかりで不明の点も多い中、ご自身で法律の条文を読み込んだ上で、解釈についてもかなり踏み込んでいただきました。膨大で複雑な会社法ですが、使い方によっては、会社として今までできなかったような相続対策（株主対策）が行えるということの一端を、参加者も理解することができたと思います。
　また、「財産権」については、税理士・会計士以外には、非常にわかりづらい株価評価の方法とその違い、判定基準などを中心に、的を絞ってご解説いただきました。

　最後には、事業継承対策として「株価引下げのポイント」「生命保険の活用」「不動産の評価」「組織再編対策」「納税資金対策」などをあげて、具体的に説明されました。

　今後、多くの中小企業が世代交代の時期を迎えると予想されていますが、適正かつスムーズに事業継承を行うためには、われわれ専門家も常に最新情報をキャッチアップし、総合的に対応することの必要性を痛感させられたご講演でした。

　交流会は、関西支局近くの会場に場所を移して行いました。講師の中島氏の周りには税理士の方が集まり、講演の内容や日頃の仕事などに関する話で盛り上がっていました。他の席でも、専門家同士の交流が、仕事から趣味のことまで幅広く行われていました。私たちコンサルティングファームからも代表取締役の山口と取締役の中村が参加し、メンター会員の方から情報収集することができ、非常に有意義な会となりました。
　みなさま、お忙しい中、ご参加いただき本当にありがとうございました。

　次回6月6日（火）開催の「メンタージャム大阪」は、『中小企業のための「定款変更／作成上の注意点」』～会社法で何が変わりどう対応すべきか～と題して、司法書士の坂井季之氏を講師にお迎えいたします。
　なお、詳細、お申し込みは、下記をクリックして、ご参照ください。みなさまのお越しを心よりお待ちしております。

6月開催 「メンタージャム大阪」のご案内
『中小企業のための「定款変更／作成上の注意点」』
～会社法で何が変わりどう対応すべきか～

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